耳の魔術
限られた数の日本語の音が脳の中枢に深く記憶されているため、特別の努力なしに、これらの音をはっきり聞き取ることができます。
神経作用の特殊化です。
その結果・・・
日本語にない音は聞き取ることがむずかしくなり、それに近い日本語の音に置き替えて聞き取るようになります。
耳の魔術とでも申しましょうか。
日本語と英語というふうにたいへん違った音のシステムの場合、耳の魔術は重要な問題となります。
「チェストツリー」という発音ひとつでもかなり違いますよね。
たとえば、日本語には「アイウエオ」と母音が5つしかありません。
英語には日本語の3倍ほどのたくさんの母音があります。
日本語で育った人の大部分は、耳の魔術によって英語の母音の微妙な違いが聞き分けられません。
はっきり聞き分けることのできない音を発音できないのは、聾唖者によく見られます。
しかし、耳の不自由な人も訓練によって立派に話すことができるようになります。